作曲家創作漫画同人誌 シューベルト/交響曲第7番ロ短調「未完成」 (2013年初版) を公開、前回から続き。
シューベルトとシューベルトの交響曲について解説とコラムページ、巻末対談のページです。

シューベルト26−27

シューベルト28−29
シューベルト30−31

「シューベルト」の公開は今回で終わりです。

さて、シューベルトの交響曲第7番ロ短調「未完成」は、第1楽章と第2楽章で作曲が止まっています。
しかし、続く第3楽章の出だし数小節のスケッチは残されています。
800px-Symphony_No._8_in_B_minor[1]
<Wikipediaより>

その後たくさんの研究や考察が進められ、続く第3楽章と第4楽章の補筆をさせた版も存在します。
厳密にはシューベルトの書いたものと言い切ることはできませんが、それらを演奏した記録もあります。

ニューボルトという研究者によってまとめられた残り第3楽章と第4楽章を演奏した記録です。
チャールズ・マッケラス指揮エイジ・オブ・エンライメントの演奏です。
https://www.youtube.com/watch?v=v_w9Tpcbmg0

さらに、上記コラムページでも触れたとおりそれ以外にも3曲近くの未完成状態の交響曲用スケッチが残されています。それらも楽譜を補筆して演奏されています。

ホ長調の交響曲D.849(1825年の作)、グムンデン・ガスタイン交響曲とも呼ばれています。
https://www.youtube.com/watch?v=WDVmfVDWBYE&fbclid=IwAR3rhkFZK_qR2tJPy-P_rtqrZBJ9Qodn7OPsElkmD8FlXnEWCUtQ0XZ9p_4

ホ長調の交響曲D.729
https://www.youtube.com/watch?v=Ng1parLiPyM&fbclid=IwAR3KywgpyDuadkWazjM7wBeHZ8zJY0HI0Ihsjb3uUooC7kfkFCmUvLxwzBQ

ニ長調の交響曲D.936A  交響曲第10番という名で演奏された記録もあります。
https://www.youtube.com/watch?v=UgYLMvCDeXA&fbclid=IwAR3RB4q0kB59G35KHx1lSGDWYPyC1hY5yGBfAd6Wn39CTDUDO-VTD2k0ZWA

※シューベルトは生前に残した曲の数が多く、しかも管理をきちんとしていなかったので作曲された順番もバラバラの状態でした。そこで、音楽学者のドイッチェが作品を時系列に整理する大事業を行いました。
D.725 というような番号が整理されたもので「ドイッチェ番号」と呼びます。
世界的に普及している作品番号を示します。

最後に、留守key(のぶ)が最も愛するシューベルトの楽曲を紹介して終わります。
シューベルトの音楽は「憧れ」と「諦観」が同居しているところに、魅力があると思います。
以下の2曲は美しさと儚さ、静かな喜びと微かな悲しさが混在するとても素敵な曲です。
大げさではない、小さな曲。
大きな会場でみんなに聴かせるよりも、部屋の中で隣り合う親しい人に聴いてもらいたい。
そんな印象を強く持っています。

4つの即興曲D.899 から第3曲変ト長調
https://www.youtube.com/watch?v=w_z9oSn-eIM

ピアノ三重奏曲変ホ長調D.897 「ノットゥルノ」
https://www.youtube.com/watch?v=DDEL83ZbBNg