引き続き、留守keyによる作曲家創作漫画同人誌「ラフマニノフ/交響曲第2番ホ短調」の後半を公開いたします。
ラフマニノフ10-11
ラフマニノフ12-13
ラフマニノフ14-15
ラフマニノフ22-23
・「血の日曜日事件」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%80%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9B%9C%E6%97%A5%E4%BA%8B%E4%BB%B6_(1905%E5%B9%B4)

・1905年をテーマに作曲された交響曲
ショスタコービチ/交響曲第11番ト短調「1905年」
(ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団)
https://www.youtube.com/watch?v=wW5USVKVAx4
※第2楽章では「血の日曜日事件」惨劇の様子を描いたシーンが再現される(曲開始より22分あたりから)
※ショスタコービチはラフマニノフの後の世代の、いわゆる旧ソビエト連邦時代の作曲家です。
ニコライ2世皇帝による帝政ロシア時代、生活苦にあえぐ市民たちの請願行動を鎮圧するために皇帝の軍が市民に向けて発砲したのが「血の日曜日事件」でした。
この後、紆余曲折はありますが、民衆の力が大きくなり帝政を倒して共産政権が樹立されロシア革命へと結びつきます。
民衆の力によって勝ち取った新国家ソビエト連邦でしたが、その後スターリンによる独裁政権へと変貌を遂げることになります。
巨大な官僚組織のもと、個人の自由は奪われ、表現の自由は脅かされ、組織に対する服従と歯向かうものへの粛清の時代へ。
その結果、帝政ロシア時代よりもさらに生きにくくなった時代になっているのではないか?
その疑問を持ちながら、ソビエト連邦時代の作曲家ショスタコービチが、国家の大きな曲がり角となった1905年を振り返る、という内容の交響曲です。
※60分を超える演奏時間。曲は冒頭からフィナーレまで常に強い緊張感がただよい、不気味な静寂と圧倒される音の暴力にあふれ、聴き手にもある種の覚悟を強いる楽曲ですが、時間がありましたら、ぜひ最後まで聴き通していただきたい曲です。
血の日曜日事件jからさらに民衆が大きな力になっていくイメージを描くべきフィナーレは、本来ならば民衆の勝利として明るく力強く響くはずですが、この曲のフィナーレはひたすら緊張感と音の強烈な暴発で、民衆が突き進む先を見てきた作曲家による「警鐘」が鋭く響き渡り、苦いものを含んで終えるのです。

・1905年「血の日曜日事件」からロシア革命を描いた映画
「戦艦ポチョムキン」(1925年S.エイゼンシュタイン監督作品)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E8%89%A6%E3%83%9D%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%A0%E3%82%AD%E3%83%B3
※近衛兵が市民に向けて一斉射撃をするシーンを描いたとされる「オデッサの階段」のカットが有名