10/21開催「スラーヴァ!ロシア音楽コンサート」Vol.2 ロシアバレエ音楽の名曲
その内容を少しお知らせ③

ストラビンスキー И́горь Фёдорович Страви́нский(1882~1971)

チャイコフスキーからグラノフへと続いたロシアバレエ音楽は、ストラビンスキーという異才の出現によりその流れが大きく変わります。
ロマンティック・バレエからクラシック・バレエへと続いた流れは、ここでモダン・バレエと呼ばれるさらに新しい表現の時代を迎えることになります。
稀代の興行師と名高いディアギレフのバレエ・リュス(ロシアバレエ団)によるパリでの公演として、音楽創りを指名された作曲家がストラビンスキーでした。

ストラビンスキーはディアギレフの期待に応え、観客の意表を突くよう大胆なバレエ音楽を作曲しました。
生涯に10作近くのバレエ音楽作品がありますが、最もエモーショナルな「火の鳥」「ペトルーシュカ」「春の祭典」と立て続けに発表された初期の3作品はとくに名高く、初演の舞台は成功とか失敗とかいうような次元を超えた「事件」とまで言われました。

その音楽は初演から100年近くたった今でも新鮮なひらめきに溢れていますが、テーマはロシアに古くから伝わる民話などをルーツにもつ、まぎれもないロシアバレエ音楽の名作です。


今回のコンサートでは、「ペトルーシュカ」から第1部で披露される「ロシアの踊り」を選曲いたします。
物語は、1830年代、冬のサンクトペテルブルクが舞台です。大勢の人々で賑わう謝肉祭の見世物小屋にある3体の人形「ペトルーシュカ」「バレリーナ」「ムーア人」が不思議な力を得て命を授かります。
そして、バレリーナを巡りペトルーシュカとムーア人が争いますが、ペトルーシュカが哀れな最期を遂げてしまいます。
古いロシアへの回顧、民衆の娯楽世界、新しい音楽表現。この3つがバランスよく練られた楽しい音楽をお楽しみください。


※留守key(あお)によるイラストは、もっとも先鋭的な作曲を連発していたころの大胆不敵なストラビンスキーをイメージして描きました。

ストラビンスキー